代表的な品種  

ここでは、代表的な品種と、その役割について簡単にふれます。


【サラブレッド】 Thoroughbred 原産地:イギリス 平均体高:160〜162cm

日本で一番馴染み深い、競馬に用いられる馬です。競争能力を改良目標に、イギリス在来のランニング・ホースに東洋原産の馬を交配することで過去、約300年間改良されてきました。1660年にチャールズ2世が即位して以来、競走馬の品種改良が促進されてきました。品種の根幹となった3頭の種雄馬、バイアリー・ターク、ダーレー・アラビアン、ゴドルフィン・アラビアンはよく知られています。



【アラブ】 Arab 原産地:中近東 体高:142〜150cm

アラビア半島を起源とする馬をベドウィンの人々が2,000年以上にわたって改良して出来上がった品種です。中世初頭からヨーロッパでも軽快な乗用馬として知られ、その美しさゆえに世界各国に愛好家がいます。改良の中心は近世初期ポーランドよりエジプト→イギリスと変換し、1900年代にはアメリカがその中心になりました。持久力にすぐれ、サブレットをはじめ世界中の馬の品種改良に用いられてきました。



【バルブ】 Barb 原産地:北アフリカ 体高:142〜152cm

中東の馬から改良されたものと推測されます。アンダルシアンやサラブレットの改良に用いられました。アメリカ大陸の発見後、最初に大陸に持ち込まれた馬でムスダンクなどの祖先でもあります。



【アンダルシアン】 Andalucian 原産地:スペイン 体高:150〜160cm

700年代にイベリア半島の在来馬に、北ヨーロッパの大型馬や北アフリカから侵入したムーア人が持ち込んだバルブが混血して出来上がった品種です。毛色は鹿毛・芦毛・青毛などあり、アメリカ大陸原産の品種に影響を与えました。



【シャギア・アラブ】 Syagya Arab 原産地:ハンガリー 平均体高:150cm

アラブの育種はヨーロッパで盛んに行われました。本品種は、20世紀初頭まで広大な領土を有していたオーストリア・ハンガリー帝国で育種されたものです。アラブをもとにスペイン、ハンガリー系統の馬、ならびにサラブレットを交配してつくられました。根幹種雄馬はシャギアです。



【クリーブランド・ベイ】 Cleveland Bay 原産地:イギリス 体高:160〜162cm

中世の時代にチャップマン・ホースと呼ばれていた輓用馬にスペイン馬が交配されてつくられました。現在では主に儀装用馬車を引くのに用いられています。毛色は鹿毛一色で小星あるいはかかとの上にわずかな白徴がみられる場合もあります。



【リピッツァナー】 Lipizzaner 原産地:オーストリア 体高151〜162cm

原種はスペイン原産のアンダルシアンで、北ヨーロッパの馬、アラブ、バルブなどを交配してつくられました。毛色は芦毛がほとんどですが、鹿毛・栗毛もいます。16世紀から旧オーストリアの王立牧場で飼育され、おもに古典馬術用として育種改良が行われてきました。現在ウィーンのスペイン乗馬学校では、この馬を用いて高等馬術の演技が行われています。



【クリオージョ】 Criollo 原産地:南アメリカ 体高:133〜150cm

アンダルシアン、アラブ、バルブの混血した馬からつくられました。南アメリカのカウボーイであるガウチョの乗馬。サラブレッドと交配することで優秀なポロ・ポニーが生産されます。毛色は河原毛で背に鰻線、肢に縞模様が認められることもあります。



【ピント】 Pinto 原産地:アメリカ 体高の規定なし

インディアンが乗っていた馬をもとに改良されました。体毛には黒や茶、白色の特徴のある斑紋があり、それが登録の条件となっています。パレードなどによく用いられますが、乗用馬としても人気があります。登録団体の違いによってはペイントとも呼ばれます。



【アパルーサ】 Appaloosa 原産地:アメリカ 体高:142〜152cm

18世紀のアメリカ・インディアンのネパーズ族によって、スペイン馬をもとに改良された馬です。品種名はネパーズ族の居住地を流れるパルース川にちなんでつけられています。被毛には特徴的な小斑があり、その特異な毛色からサーカスやパレードなどで用いられています。



【クォーター・ホース】 Quarter Horse 原産地:アメリカ 体高:143〜160cm

4分の1マイル(400m)の競争用の馬として用いられたことでこの名があります。サラブレッド、アラブ、バルブ、トルコマンなどを交配することで改良が進められた多目的の乗用馬です。短距離のダッシュ力ではサラブレッドをしのぎます。毛色は単色で、栗毛が圧倒的に多いです。牧場でウシを追ったり集めたりするカウ・ポニーとして用いられており、ウエスタンの馬術大会には欠かせません。1品種としては世界中で最も数が多いです。



【スタンダードブレッド】 Standerdbred 原産地:アメリカ 平均体高:152cm

1800年代中期にサラブレッド、トロッター、ハクニー、アラブなどを交配してつくられました。繋駕速歩用の競走馬で非常にスタミナがあります。標準時間(スタンダード)より速く走行できるかを試走させて能力検定を行ったことからこの品種名がつきました。



【テネシー・ウォーカー】 Tennessee Walker 原産地:アメリカ 体高:150〜160cm

アメリカ原産の馬には特殊な歩様を特徴とする品種がいくつかあります。テネシー・ウォーカーもそのひとつで、フラット・ウォーク、ランニング・ウォーク、ロッキング・チェアー・キャンターを特徴としています。これらの歩様は遺伝的なもので、根幹種雄馬はスタンダードブレッドのブラック・アランという馬であり、サラブレッド、モルガン、サドルブレッドの血が混じっています。



【シャイアー】 Shire 原産地:イギリス 体高:162〜172cm

中世のグレート・ホースに由来する大型の輓用馬です。世界中で最も重いとされ、サラブレッドとの交配も過去には行われたことがあります。現在では、イギリスでビール樽を積んだ馬車を引く馬として知られます。豊かな距毛が特徴的です。



【ペルシュロン】 Percheron 原産地:フランス 体高:152〜170cm

ノルマンと東洋原産の馬とを交配することでつくられましたが、のちにアラブも交配されました。フランス国内ではいくつかのタイプに分けられます。軽快な輓用馬で、広く世界中で用いられてきました。日本でも第2次世界大戦前に軍馬の改良で多用されました。



【ブルトン】 Breton 原産地:フランス 体高:150〜160cm

中量級の輓用馬で、優雅なトロットが特徴です。ブルターニュ地方の在来種にペルシュロン、アルデンネ、ブーロンネなどを交配してつくり出されました。北海道のばんえい競馬に用いられている馬には、ペルシュロンとともにこの品種の血が多く含まれています。



【クライズデール】 Clydesdale 原産地:イギリス 体高:160〜170cm

かつては乗合馬車を引くために広く用いられていました。1800年代にスコットランド在来の雌馬とフランダースの雄との交配でつくり出されました。毛色は鹿毛、青鹿毛がほとんどです。



【シェトランド・ポニー】 Shetland Pony 原産地:イギリス 体高:100〜112cm

シェトランド諸島の在来馬で、アメリカで非常に人気が高く、現在6〜9万頭飼われています。1800年代にはイギリス北部の炭坑でいわゆるマインホースとして盛んに用いられ、改良が進みました。小型の馬の品種改良の原種として世界各地で用いられ始めています。現在ではおもに、子供用の乗馬やサーカスなどで使われています。



【日本在来馬】 Japanese Native Pony

北海道和種、木曽馬、対州馬、トカラ馬、御崎馬、与那国馬、宮古馬、野間馬の8種が日本馬事協会により日本在来馬として認定されています。5世紀ごろに朝鮮半島を経て日本に持ち込まれた蒙古在来馬の血をひいていると考えられます。



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